学生の研究活動

研究報告・体験談 2015年度

梅本 和俊

(社会情報モデル講座 情報図書館学分野: 博士後期課程3回生)

私は情報検索とよばれる分野の研究に従事しています.情報検索というと,Webページのランキングアルゴリズムや関連する検索キーワードの推薦といったシステム的な側面がイメージされやすいかもしれません.私の場合はむしろ,検索を行うユーザの方に興味があり,検索行動からユーザの意図を推定・理解するという研究課題に取り組んでいます.

私が所属する田中研究室には,田中先生をはじめ,研究に熱意のある先生方が多くいらっしゃいます.定期的に開催される研究会で発表を行った際には,建設的なコメントや貴重なアドバイス,そして時には厳しい指摘など,さまざまなフィードバックを先生方から得ることができます.どちらかといえば思い込みの強い方だった私ですが,こうした経験の積み重ねによって最近では,物事を広い視野から柔軟に考える能力が身に付いてきたと実感しています.そのため,田中研究室に入って本当に良かったと思います.

時には,研究室の枠をこえて,国内外の企業や研究所と共同で研究を行うこともあります.実際に私は,2014年6月から約半年間にわたって,中国のマイクロソフトリサーチアジア(MSRA)で研究をしていました.MSRAはマイクロソフトが設立した研究機関の1つであり,計算機科学の諸分野において最先端の研究が行われています.情報検索の分野でも,毎年多くの研究がMSRAの研究者によって発表されています.半年間という限られた期間の中で,著名な研究者の方々と共に研究に打ち込み論文にまとめたことは,貴重な体験になりました.MSRAにインターンとして来ていた各国の学生と公私ともに交流できたことも,大変刺激的でした.

私にとって,研究は常に上手くいくものではなく,むしろ失敗の連続です.論文が不採録になり落ち込むこともあります.ただ,良いアイデアが思い浮かんだ時や,興味深い結果が得られた時,論文が採録された時などは,それに勝る興奮や感動を得ることができます.また,関連文献の調査や他者との交流・議論を通じて知識の幅と深さを拡大し,試行錯誤を重ねることで自らの興味の対象を納得いくまで追求できるというのは,研究者の特権だと思います.これからも,自身の専門領域に限らず広い視野を持ち続け,世の中の役に立つ面白い研究にひたむきに取り組みたいと思います.

研究報告・体験談 2010年度

松原 靖子

(社会情報モデル講座 分散情報システム分野: 博士後期課程2回生)

私はデータマイニングという分野の研究に取り組んでいます。データマイニングとは、データの集合の中から有益な知識を発見しようという取り組みです。急激に増え続けるWebやセンサーネットワークのための実用的な分析手法を提案したいと考えています。
私がデータマイニングの研究に取り組み始めたのは博士課程に入ってからですが、この1年と少しの間に研究を通して様々な経験をさせていただきました。中でも、学内の先生方や、私が共同研究をさせていただいているNTT研究所やカーネギーメロン大学の先生方等、プロの研究者たちの研究に対する真剣な姿勢や考え方を目の当たりにして、研究の素晴らしさ、面白さを理解できるようになってきました。
私が所属する吉川研究室では、吉川先生をはじめ、研究に対する真摯な気持ちを持った方々が集まっていらっしゃいます。国際的に注目されるような質の高い研究をするのは簡単なことではなく、査読者の方々から大変厳しい評価をいただくことも多いです。そのような時には、研究室の先生や学生の方々の親切なアドバイスや温かい励ましがとても嬉しく、吉川研究室に入って本当に良かったと感じています。
そのような中、最近少しずつですが研究成果がでてきました。IEEEのデータマイニングの国際会議であるICDMに論文が採録され、さらにICDMの中でも優れた論文と認めていただき、Springerの国際雑誌であるKAISに招待論文として採録されることになりました。採録通知が来たときの感動と喜びは、今でも忘れられません。
私の研究者人生はまだ始まったばかりです。論文は相変わらず落ちてばかりで苦い思いもしますが、日々実力がついているのを少しずつ実感できるようになり、毎日がとても楽しいです。これからの長い研究者人生の中で、常に新しい知識や知見に対する好奇心を持ち続け、世の中のためになる技術を生み出していきたいと思っています。

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